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2009-07-06 00:00
中国はSDRを制するか?
近藤 健彦
明星大学教授
世界経済での中国の存在感がますます大きくなっている。中国の外貨準備は2兆ドル。その70%は米国債で運用されている。米以外の海外投資家の保有する米国債の4分の1は中国が保有する。本年3月の中国人民銀行・周小川総裁の提言は、SDRを重視する提言をして、米のうるさ型の専門家までこれに支持を表明している。IMFはSDR債を発行し、近い将来人民元をSDRの通貨バスケットに加えるだろうといわれる。また上昇する人民元は、周辺諸国との貿易決済への使用が急拡大しつつあるやに見える。
だが、その一方で中国は、「アジア通貨単位」を創設して、アジ銀債を発行しようとする「中曽根提言」には、それがいわばSDRのアジア地域版であり、構想においてSDR重視とパラレルな点が多いにもかかわらず、現状では歯牙にもかけない。日本のいうこととは一線を画す中国の独自の考え方があるのかもしれない。
中国はSDRで世界を席巻するか?「グローバル化の世界でグローバルな処方箋を目指す」のは常道である。理念としてこれがなくなることはない。中国が世界に長く忘れ去られていたSDRを思い出させた功績は大きい。だが、現実には、いかに中国の経済力をもってしても世界を思い通りにはできないだろう。SDRを重視することは、理念としては大賛成だが、200も色んな考え方の国があると、一般的に日本などより遥かに巧みな中国の外交パワーをもってしても、遅々としてしか進まない。
SDRが進まないと確認すると、中国はアジアに本当に目を向けてくるのではないか?そこで通貨面で、本当の「日中融和」の動きが出てくるのではないか?これが私の将来についての読みである。そうなって初めて「アジア共同体」が現実味をおびてくる。その時に備え、今から仏独の現実の経緯を再確認しておくべきである。これが私が微力ながらジャン・モネの仏語回想録を全訳・出版した本当の理由である。急がば回れである。
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