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2009-07-02 00:00
(連載)世界を覆う手詰まり感(2)
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
怖いのはダモクレスの剣だけだというのは、実はやや単純化が過ぎるようで、それと同時に手詰まり感を共有しつつ平穏裡に暮らすという選択肢を、様々な理由から断固拒否するという「横紙破り」にどう対応するか、というのも悩みの大なるものだという側面もある。「横紙破り」は、何も将軍様やアルカイダには限らない訳で、様々な形での復古主義、ひらたくいうと民主主義と市場主義よりも、自分の意のままになっていた、かつての世の中を再生産したい、という人々もこれに属する。
これは何も海の向こうにまで視線を巡らせなくても、公益国家独占主義の申し子のような日本のお役人体質がそのものずばりなのだ、ということに気づく人が意外に少ない。これが時として使命感と手を携えて出現するのを、われわれは何度も目撃している。
世の中、右や左にブレるのは民主主義の常だ。ついでにいえば市場経済の要諦でもある。だからバランス感覚が大事になる訳で、古典落語ではないが、硯を摺って、筆に含ませて、胸に一本黒い線を引く。それより深いところに行かなければ溺れないよ、という話だ。わが国の政・官・財の癒着。目に余るもたれ合いの末の官僚の自己統治能力の欠如。そろそろ胸にひいた線を越えかかっているのではないか。ならば、そろそろ海岸の方に引き返す潮時ではあるまいか。(おわり)
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