ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2009-06-22 00:00
袴田茂樹さんの論文に触発されて考えること
中山 太郎
研究所客員研究員
袴田茂樹さんの「平和条約問題解決には『痩せ我慢』も必要」の論旨につき、大部分賛成します。ここで「ロシア問題」で、前から気になっていたことを取り上げて、別の角度から考えてみます。
今『国家の罠』という本の著者が「ロシア問題」の権威として、一部の人々にもてはやされているようです。しかし、インテリジェンスの正統的な意味でのプロとも言うべき大森義夫氏は、著書『国家と情報』の249頁で、この方に尋ねたいこととして次の2点を挙げている。(1)モスクワで情報収集活動をされた時に大使館同僚による「プロテクト(防衛活動)」を受けましたか、(2)S代議士に直接報告されたそうですが、まさか日本に電話したり、モスクワのホテルの一室で話したりはしなかったでしょうね。
わが国の多くの人々は、外交が、一元外交の下でのレンガの一つ一つの積み重ねであることを忘れている。名人芸で一瞬のうちに色々な成果が得られると誤解している。情報を得るためには、それ相当の情報を与えなければ取れないことを忘れている。正統的に、往々として、無味乾燥な長い退屈ともいえる時間を仕事と取り組まなければならないことを忘れている。
「日ロ問題」(「日中問題」も)は、実は「日日問題」の要素が大きいのだ。一部の人たちが功にはやって、突撃的に行う外交にはどこか、齟齬が生じがちだ。大局観を持ち、長期的に外交を見る視点を失うことがあってはならない。袴田さんの結語の「経済面その他で一時的に痛みを伴うかもしれないが、結果的にはそれが、国家や国民が尊厳を得る道であり、真の国家関係や経済を発展させる道でもある」を、我々の多くが噛み締めるべきであろうと考える。
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会