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2009-06-04 00:00
(連載)中国の「緑色革命」と東アジアの経済統合(2)
進藤 榮一
筑波大学大学院名誉教授
五輪開催に備え中国政府は、一方で北京市内から重化学工場を、郊外河北省に移転させながら、他方で河北省を、「緑色革命」推進の拠点省に指定し、環境産業の中核工場を辛集市に集中強化しようとしている。その一つ、国内最大の電子部品処理再生工場を視察した。ここだけでも年間、金4・8トン、銅1万5600トン、鉄3千トン、プラスチック2万トンを再生産している。都市生活の中で捨てられていた「都市資源」再生の現場だ。
夜の歓迎会で副市長が、「緑色都市」建設の構想を力説する。その構想が、日本新技術促進機構の哲学と共振する。私たちの機構は、「緑色産業」発展のために、筑波や首都圏に眠る膨大な先端技術のシーズを、アジア諸国に開発移転するためつくられた若い機構だ。先端技術移転によるアジア経済統合促進の、ウィンウィン・ゲームの哲学の実践を志す。パクス・シニカの脅威をいたずらに喧伝する前に、シニカとの共栄共生の仕組みを構築することだ。その構築の主軸に、環境や食糧資源エネルギー産業の「緑色革命」がすえられる。それが、米国発世界金融危機が指し示すアジア再生と東アジア共同体への道である。
その道が、オバマ新政権の掲げるグリーン・ニューディールと重なって、21世紀型実体経済の転換への見取り図をまた指し示している。帰国前夜の晩餐会で、若い胡春華・河北省長の側近である前副省長が、協会と機構の共同事業に熱いエールを送る。その1963年生まれの胡春華・河北省長が、知日派世代の胡錦涛主席の中央党校時代の教え子で、ポスト胡政権を担う時代が早晩来るというのなら、米国型金融資本主義にかわる新しい21世紀型資本主義の構築に向けて、いまほど日中両国の協力提携が求められている時はない。
工業化から「環境化」への新しい産業の世紀が、東アジア共同体の構築とともに、いま足音を立てて訪れている。(おわり)
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