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2009-05-22 00:00
(連載)中国が仕掛ける通貨戦争(2)
田村 秀男
ジャーナリスト
人民元攻勢は対台湾に限らない。広東省、広西チワン族自治区、雲南省が東南アジア諸国連合(ASEAN)との貿易の人民元決済の試験を始めた。ロシアとの間で中央銀行によるルーブル・人民元決済業務の拡大で、韓国との間でも2国間通貨交換で合意している。ことし2月以降、マレーシア、インドネシア、アルゼンチンなどとの間で緊急時に人民元を供給する通貨交換協定を締結した。
中国は、人民元を周辺に浸透させようと中華帝国伝統の地政学的拡大作戦を展開しているようだ。東南アジアの場合、華僑・華人系の資本が各国・地域の経済の主役を占めている。すでに中国の一部となった香港・マカオと同じく、華僑・華人とのネットワークも強い台湾を人民元圏として取り込めば、人民元が事実上のアジアの標準決済通貨になる可能性が高い。
決済通貨国は自国通貨を発行すれば、よその国で何でも買える。他国の決済通貨に依存しないと生きていけない国とは、大違いだ。
今月3日、インドネシア・バリ島で開かれたASEANプラス3(日本、中国、韓国)の財務相会議で、与謝野馨財務相はアジアの通貨・金融危機に備えて、総額約6兆円の円資金供給を表明した。多国間の通貨交換協定では中国が日本と同額出資を決めたが、日本側はさらに別枠を用意して気前のよさで中国と張り合ったわけだ。しかし、そんな「ばらまき外交」だけでは、円は人民元との「新通貨戦争」を乗り切れそうにない。(おわり)
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