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2009-05-13 00:00
鳩山なら「小沢院政」党路線か
杉浦正章
政治評論家
本来辞める指導者は、影で糸を引くものだが、小沢一郎の場合は、露骨にも5月12日にその本性を丸出しにした。見え見えの「鳩山由起夫支持」だ。辞任カードを握っている間に練りに練った「短期決戦」戦略を浮上させたのだ。確実に鳩山も参画していたバトンタッチ作戦だ。一挙に自分のコントロールの利く「鳩山代表」を実現しようというわけだ。確かに国会議員の数においては、鳩山が有利だ。しかし小沢の動きは民主党に「小沢傀儡」のイメージをもたらすだろう。紛れもなく「院政」狙いだからだ。16日までの短期間に岡田克也が巻き返せるかどうかは、「小沢院政」党を嫌う中堅・若手議員らのいわゆる“浮動票”の動向にかかっている。気づいたマスコミも批判の度を強めるだろう。民主党代表選挙は「小沢院政」党か「新生」民主党かの戦いの様相が出て来た。
小沢は12日の役員会で、かさにかかったようにほえまくった。岡田支持の広報委員長・野田佳彦らが党員・サポーターにも有権者を広げるべきだと主張したのに対し、声を荒げて反対したのだ。この意味するところは、有権者を広げては勝つ勝負が負けるとの読みがあることにほかならない。党内の勢力地図は、「親小沢」派が小沢グループ(40人)鳩山グループ(35)を基礎に、菅グループ(35)旧社会党系(25)旧民社党系(20)などに触手を伸ばしている。「反小沢」派の確かな数は「前原グループ」(35)と野田グループ(20)にすぎない。岡田を勝たせるには党員・サポーターにまで有権者を拡大しなければ困難な訳だ。しかし参院民主党の有力者らも鳩山支持の流れが生じており、岡田にとって戦いは苦しい。
焦点は投票までの4日間に、若手・中堅議員らの間で岡田に雪崩を打つような動きが生ずるかどうかだ。10人が狂ったように岡田で動けば、どうにかなるものだが、どうか。それでは鳩山と岡田の対立軸はどうなっているのだろうか。政策面でまず目立つのは、岡田が3%の年金目的消費税導入の「財政再建路線派」なのに対して、鳩山は「消費税封印派」だ。霞が関改革は鳩山が急先鋒なのに対して、岡田は常識論で急激な改革論ではない。とりわけ岡田は政治とカネの問題と世襲制限に厳しい方針を打ち出している。しかしなんと言っても、最大の対立軸は「小沢院政」容認か否かと言えるだろう。小沢的なものの排除が世論の流れであり、民主党が全体としてこれに気づくかどうかだ。鳩山なら「ノー・チェンジ」だ。岡田なら「チェンジ」のイメージを前面に出して、総選挙を有利に戦えることが目に見えているのだ。
共同通信の緊急世論調査でも、次期代表は岡田23.7%、鳩山16.9%と岡田への期待が大きい。メディアも「院政」の陰謀にようやく気づき、批判を始めた。民放テレビなどが飛びつきやすいテーマだ。今後「院政批判」が、コメンテーターらの合い言葉になるだろう。これで若手。中堅がどう動くかだ。元首相・森喜朗が興味深い発言をしている。「いっぺん汚れたシミはなかなか取れない」。“小沢のシミ”は取れないという、森にしては含蓄のある発言だ。このシミが取れるかどうかで、民主党の将来は決まるといってよいが、寄り合い所帯の思惑先行で、民主党が「チェンジ」を見送れば、自民党主軸の政権は続く。それにつけても鳩山の「小沢とは一蓮托生する」との発言は、身を引くことかと思いきや、一蓮托生で代表を狙うことだったとは知らなかった。
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