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2009-05-07 00:00
新型インフルと政局の相関関係
花岡 信昭
ジャーナリスト
不謹慎な言い方になるが、麻生首相は本当に「ついている」。ツキも実力のうちとはいうのだが、世界的な経済危機、政敵・小沢氏の政治資金疑惑、そして新型インフルエンザだ。逆境を救う材料が次から次へと飛び出してくれるのだから、麻生首相にとってはいうことなしだろう。だが、反動もこわい。こういうときは浮かれず、おごらず、ぐっと胆力をこめて臨まないと、足もとをすくわれることが往々にして起きる。
新型インフルは、日本初の感染者が出るのか出ないのか、緊張の局面だ。これだけ世界的に広がってしまったのだから、日本だけは大丈夫というわけにはいくまい。で、新型インフルと政局との関連に、どうしても頭が向いてしまう。政治ウオッチャーのサガというやつだ。「解散、総選挙どころじゃないだろう」というのが、大方の反応だろう。麻生首相としては労せずして解散先送りが可能になる。
もうひとつ。舛添厚生労働相の存在感がひときわ目立っている。年金問題、派遣切りなどの雇用対策、そして新型インフル。重要課題の陣頭指揮に当たる機会が次々とやってくる大臣も珍しい。万一、麻生政権がおかしくなった場合、自民党内をすっとまとめられる後継候補は舛添氏だ。参院議員であることがネックとなるが、総選挙で衆院にクラ替えすればいい。派閥に属さず、しがらみがないことが、こういうときに有利に働く。
新型インフルは、日本の危機管理体制そのものが試される局面だ。国、地方あげて封じ込め大作戦を展開できるかどうか。阪神大震災のときの首相はだれだっけか、と考えてみれば、ことの重要さが浮き彫りになる。
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