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2006-04-10 00:00
東アジア共同体の構築、機能別の進め方について
松代 明
著述業
宮原賢次氏が書かれた「東アジア共同体の構築;理念より機能優先せよ」を拝見した。機能別の進め方についての御意見は示唆に富み、今後を考える上で極めて参考になる点が多い。そのうちの2点について、 敢えて卑見を述べれば次の通りである。
1,価値観と言う場合、民主主義、人道主義、博愛主義などを指すと考えるが、「自由貿易」、「市場経済」と言う観念は、価値観ではなく、先のいずれかを実現する手段をさすのではないか。わが国では良く価値観と言う言葉を用いるが、日本語が持つ曖昧さを反映して、言葉自体がはっきりと定義されていないように思う。
EUの場合の価値観がキリスト教(人道主義、博愛主義)に基づいているように、このような共通のものがないと、最終的な纏まりは得られない。アジアのこの地域にはモスレム、仏教、キリスト教、儒教、ヒンヅー教が存在し、人々はそれぞれ独自の宗教、価値観の下で生活している。如何に機能的協力を進めても、かかる価値観を纏めることは簡単には出来ない。東アジア共同体と言っても、結局は機能的協力が結集された段階で止まってしまうことにも成りかねない(EUがECの段階に止まっているような状態である)。
矢張り機能的協力と並行して、異なる価値観を如何に纏めるべきかを現実の問題として真剣に検討すべきではないだろうか。
2,外国人労働者受け入れに関しては、そもそも長期的展望に立った政策が日本政府に欠如している。今後の国内労働力の減少を踏まえ、如何なる分野に、どの位の期間、どこから受け入れるかの分析、検討が必要である。確固たる施策を欠く一方で、これも安定した入国管理制度がないため、不都合な目的での入国、滞在を認め、徒に外国人の不法就労者を増やす結果になり、一面では3K労働力は補充出来るが、他方では外国人犯罪を増加させると言う悪循環となっている。
かかる視点から宮原氏が主張されるような「外国人共生会議の設置」は時宜を得た考えであるが、それまでの間は例えばフイリピンの介護福祉士の場合には「在留資格ー特定活動」での受け入れを行うのが実際的であろう。現実にかかる方向で検討されているのではないだろうか。介護福祉士は現在わが国が緊急に必要としている職種の一つである。この「特定活動」は従来より可成り柔軟に運用されており、過渡的措置として必要に応じてこのカテゴリーでの受け入れの拡大を図るべきであろう。民間ベースでの技術研修生はこのカテゴリーで受け入れ、わが国のニーズに対応してきている。
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