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2009-04-29 00:00
(連載)日本 戦後最大の衰退期に陥る(3)
関山 健
東京財団研究員
現在の状況に直面して、日本の発展モデルに疑義は生じているか?改革は必要だろうか?今後、日本政府はいかなる措置を取るべきだと考えるか?日本が景気の谷を抜けるのにどの程度の時間がかかると考えるか?短期的に見れば、日本経済の回復には、やはり輸出の回復が必要であり、欧米諸国の景気回復を待たねばならない。アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)は、アメリカ経済が2009年後半に徐々に回復を始め、2010年は2.5~3.3%、2011年は3.8~5.0%の成長を実現すると予想している。もし、このFRBの予想どおりにアメリカ経済が回復するとすれば、日本経済もこれに伴って少しずつ持ち直していくだろう。
しかし、長期的に見れば、やはり日本経済は外需依存の成長から内需主導の成長へと転換するために、各種改革が必要である。例えば、少子高齢化による労働力人口の減少を補うために、女性、高齢者、外国人などが、これまで以上に日本の労働力市場で活躍できるように規制緩和や支援をすべきであると考える。多くの中国人は、日本の経済収縮とその中国への影響を心配している。中国への影響をどのように見ているか?主にどの方面で影響が出るだろうか?日本の景気後退の中国への影響としては、日本の中国製品輸入の減少と、日本の対中投資の減少が懸念される。日本財務省の貿易統計によれば、日本の中国からの輸入は2008年11月に対前年同期比12.0%減、12月に同12.4%減と2ヶ月連続でマイナスとなった。
輸入品目別に見ると、餃子問題によって日本市場での信頼が落ちた食料品のみならず、原料品、鉱物性燃料、化学製品、鉄鋼・非鉄金属、一般機械、電気機器など、広範な分野において輸入が減少している。日本の対中投資について、中国商務部の統計によれば、2005年が65.30億ドル、2006年が47.59億ドル、2007年が35.89億ドルと毎年大幅減額が続いたあと、2008年は36.52億ドルと下げ止まったが、数年前の水準は未だ回復していない。輸出減少により日本企業の収益が急速に悪化しており、対外投資の余力がなくなれば、2009年の対中投資は更に落ち込む可能性も否定できない。
足元の中国経済も困難に直面しているが、中国も日本のような厳しい経済収縮に見舞われると考えるか?中国の経済発展にとって参考となる日本の経験や教訓はあるか?堅調な内需によって底堅い成長が可能な中国は、当面、日本のような経済収縮を経験することはないだろう。しかし、中国でも資源エネルギーや輸出依存が高まりつつあることは注意が必要である。こうした傾向が続けば、中国も将来的には外部ショックに弱い経済構造となってしまう。中国が日本の経験に学ぶならば、少しでも資源エネルギーの外部依存を下げるように省エネを推進したり、内需の大部分を占める個人消費を振興するために社会保障を充実したりすることが必要となるだろう。(おわり)
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